サイネージと間接痛

他人の日記。こんばんは、ここはいつでも夜ですよ。

煙の味

指先から煙草の匂いがした。さっきまで吸ってたラムコークの甘い匂い。初めて吸うもんだから、チキった僕は舌先に留める程度にしか煙を含まなかった。

オイルライターを弾いて銀紙を破く感触。父に、こんな日が来るとは、なんて微笑まれて、むず痒くなった。

二つだけ煙が燻って、混ざって上に消えてく。ごうごうなる音は果たして換気扇のせいか、あるいは外は嵐だからか。

そんなことどっちでも良いのだ。父の奢りの煙草に気分を良くして酔ってる若造なんて、音の正体がなんだろうと幸せなんだから。