サイネージと間接痛

他人の日記。こんばんは、ここはいつでも夜ですよ。

烏有に帰すパラドクス(2)

初めてナンバリングタイトル付けました。こんばんは、黒田です。

タイトル通り一つ前の続き…というか関連で、頭の中を巡り続けるショーの色々を。

 

リセット機能について。

詳しく語られてはいないが、“記憶が無くなる”ことと“10年前の振り出しに戻る”ことの2つの条件に加え、“来世は戦いたくない”といった発言から、“現世を終了させる機能”…すなわち時間の巻き戻しなどのロードでは無く、何らかの方法によって世界線を収束させるものだと予想する事ができる。

一個人の考察として、このリセット機能を世界全体を巻き込んだ自爆スイッチの様な装置と仮定する。幾十の世界線のうち、現在地である世界線を強制終了させ、“2013年現在”の別の世界線に希望を託したのだろう。

前説の“フィクション”という言葉を借りるのであれば、今回は別世界線の事象であり、正史に干渉しないシナリオということになる。

終幕、隕石に驚いた彼らには何も起こらなかった。

メタルは死なない。キタキュウマンが戦いたくないのは、身体が硬いから。

正史上の彼らは、悲劇の記憶を持たない。

と、ここで気になるのがタイトルの“ReStarted”。(10周年が新しいスタート地点、というのを承知の上)全てを最初からやり直すリセットでは無く、リスタートが選ばれている。このことより、正史は“今回のショー”から完全な初期値では無く何らかの設定値を残したまま再始動したものだと想定できる。まぁ、この設定値はおそらくclass-Kのことなのでしょうが…色々想像の余地があって良いですよね。もしかしたら少しであれど、記憶を引き継いでいるのかも、とか。


以下所感。

劇場版みたいなシナリオ、スゲー良かったです。音と光の使い方がめちゃくちゃ良くて、瓦礫の崩れる音だったり会見のフラッシュだったり、アジトに乗り込む時のステージの奥行きの使い方とか、没入感が凄かった。それから、キタキュウマンの殴られて上手く喋れなくて、限界で苦しそうな声とか、メタル・シュバルツ戦でのシュバルツの勝利間近の驚きから確信に変わる声とか、声の演技も迫真でドキドキしました。

あと、戦闘社員の“ヒーローはみんなを救うんじゃないのか”とか、記者の“死者も出てる”とか、ビターな台詞が多いのも新鮮で面白かったです。

とにかく。ヒーローもワルモノもみんながカッコ良いシナリオでした。兄として、正義の執行者として、矢面に立つキタキュウマン。弟の死を打ち消す為に迷いなく10年かけて得た成果を差し出すキタキュウマン。壊滅寸前、上司にも助けを求められず八方塞がりの中、諦めず部下を鼓舞するノーティ。その声に応えようと、圧倒的な強さを誇る相手に“俺だって”と挑む戦闘社員。どんな手を使ってでも目標を達成しようとする冷徹なヌエンドロン。

全員覚悟が決まっててマジでカッコよかった。


最後!最高のショーだったのでもう一回見たいです。映像データ販売してください…