サイネージと間接痛

他人の日記。こんばんは、ここはいつでも夜ですよ。

笑っちまうほど

元カノαの話していい?ダメ?OK、するわ。

 

顔可愛いし背も高いし運動できるし、いい匂いするし頭いいし、喋り方も穏やかでマジ可愛かったんだよなあ。ササキさんと綾鷹君を足して2で割った感じ。今はもう解消してるから好きとかは無いんだけど、そーいうの抜きにしてもマジで可愛かったんだよ。別れた理由とかも、まぁ多分僕が悪くて。いやこういう言い方するからダメなんだろうね。学ばないな。

 

数年前に別れた彼女の事を、ふと去年の冬ごろ思い出したんですよ。現在進行形で連絡先は無い。思えばこれが別れるきっかけで。彼女が引っ越したタイミングと、僕が部活に行かなくなったタイミングと、それに偶然、僕のケータイが壊れるタイミングが重なって。負のミルフィーユか?ってレベルで。

散々「会いに行くから。連絡も入れるし、電話もするよ」っつって。そんでまあ、彼女からしたらさ、蓋開けりゃ会いに来ないはともかく連絡もつかねーしアカウントは消えてるし。最悪だわな。罪を逃れる言葉を吐くなら、クズと関係を断ち切る丁度いい機会だったんじゃない、とでも言っときましょうか。

思い出したきっかけは部屋の掃除をしていて出てきたスケッチブックで。1ページ1ページ、丁寧に色彩が施された一冊。そうです、αの私物です。いえ、正確には彼女から正式に譲り受けたので僕のものなんですが…

僕らは二人とも絵を描くのが好きで、月に2、3枚くらいでしょうか、互いに一つ曲をお題として出して、それを聞いて絵にすることをしていました。好きな曲やらアーティストやらも被りが多かったので新鮮味には欠けていましたが、それでもすごく楽しかった事を覚えています。

まあ、そんなわけでスケッチブックを見つけて彼女のことを思い出したわけです。会いたいなと。今度は、出逢いたての頃の友達の在り方で。

そんな事をしみじみ思ってたんだけどさ。ついでにいろんな記憶が出てきました。二人して金が無いから一緒に食べるご飯は大体牛丼、冬は肉まん分けたり、夏はあんまり覚えてないけど、土砂降りん中藤の木の下で雨宿りしたのは記憶にある。夜は駅まで歩いて送ってって、そん時に公園寄ったり海辺歩いたり。ウチに来るとすげー甘えたで、ずっと後ろに引っ付くし、重いのにめっちゃのし掛かってくるし。僕より腕力強くて、腕とか掴まれるとフツーに痛いこととか、部活で強めの言葉食らって僕がマジで凹んだ時は自分のこと以上に怒ったりとか、苺チョコ好きじゃ無いのに僕が作った苺チョコクッキーを美味しいって食べてくれたりとか。化学教えてもらったり、紅茶淹れてもらったり、ハンドクリーム分けてもらったり、マフラー巻いてもらったり。僕はいつでも手が熱いから、冬場はずっと手繋いだり。

 

中でもアレはよく覚えてるんだよなぁ。クレパス一本貰ったこと。色は出てくるけど名前が分かんないや。調べてみたけど分からん。紫っぽい青で、夜みたいな色。クレパス一本?って思うかも知んないけどめっちゃ嬉しかったんだよね。こうやって一つ掬い上げたいくらい。嬉しくて、貰った日に帰って即鯨の絵を描いたはず。今もこの絵は一番気に入ってて部屋に飾ってる。本当はαにあげようって思って描いてたんだけどさ、自分でもびっくりするくらい気に入って、結局別の紫陽花と傘の絵をあげた。その絵をあげた次の日に早速部屋に飾ってくれてたよね。流石にもう捨てたかな。

 

まあね、こんな感じで可愛い彼女だったんですよ。年上で大人ぶって、モテる人間ならではの悩みが多くて、不器用でお人好しで、しっかりしてそうなのに甘えたがりで、よく泣いて。

会って元気にしてるか確認したいな、なんて思ったけど、αの前に出るのは後ろ暗い罪のように思えました。

どーせ何を言おうと数年前のことです。互いの連絡先さえ知らない。引っ越し先にて、向こうは僕のこと忘れてるでしょうし、それはαにとって良いことでしょう。彼女に辛いことがないならばそれで。

 

ああ、思い出しました。

群青色です。